受注メール・FAX注文のデジタル化
毎日30件の注文を手入力していた食品卸のケース
取引先からのFAXやメールで届く注文書を、担当者が1件ずつ読み取って基幹システムへ打ち直す。多くの卸売業で今も続いている光景です。本記事では、食品卸のA社を例に、受注をデジタル化するとどう変わるのかを想定シナリオとして紹介します。
本記事は想定シナリオに基づくモデルケースです。登場する企業・担当者は架空であり、実在の顧客事例ではありません。効果は業務内容や導入範囲により異なります。
ある食品卸の、とある一日
A社は従業員20名ほどの食品卸売業。飲食店や小売店から届く注文の多くが、今もFAXとメールです。受注担当のBさんとCさんは、届いた注文書を1件ずつ確認しながら基幹システムへ入力しています。ある日の様子を追ってみます。
FAXトレイに注文書の山。前夜から朝にかけて届いた分が10枚近く重なっている。得意先ごとに手書きの癖があり、数量なのか単価なのか判読に時間がかかる注文書も混じっている。
「さっき送ったFAX、届いていますか?」確認の電話が入る。手が離せないタイミングでも、対応を後回しにはできない。
メール添付の注文書を処理。Excel、PDF、写真添付と取引先ごとに書式がバラバラなまま、基幹システムの入力画面へひとつずつ転記していく。
昼休みを削って残りを処理。品番の読み間違いに気づき、出荷前に得意先へ確認の電話を入れる。ここで20分ほど余計にかかる。
夕方にもう一便FAXが届く。既に処理した分と合わせて、この日の受注は30件前後になった。
入力が終わらず残業。翌朝、また同じ流れが繰り返される。
A社が抱えていた3つの課題
個々の担当者が特別に非効率なわけではありません。注文の受け方が紙とメールに依存している以上、手間はどうしても積み上がっていきます。
転記に時間がかかる
手書きや書式がバラバラな注文書を、1件ずつ目で確認しながら入力するため、1件あたり平均5〜6分かかっていた。
ミスと確認往復が減らない
手書き文字の読み間違いや数量の見落としが月に数件発生し、出荷前に得意先へ確認の電話をかける手間が発生していた。
繁忙期に事務が回らない
受注が集中する時期は担当2名では処理しきれず、残業や出荷の遅延リスクが高まっていた。
受注デジタル化ツールでの処理の流れ
A社への導入を想定したツール画面です。FAX・メールで届いた注文書を自動で読み取り、確認が必要な箇所だけを担当者が見る、という流れに変えます。
画面はイメージです(導入時は業務に合わせて設計します)
受信トレイに自動で集約
FAX・メールで届いた注文書が、送信元・受信時刻ごとに一覧表示されます。紙をめくって探す手間がなくなります。
品番・数量・納期を自動で読み取り
注文書の内容を読み取り、品番・品名・数量・納期を明細データに変換します。
読み取り信頼度が低い箇所だけ確認
手書き数量など判読が難しい行にはハイライトが付き、担当者はそこだけを確認すればよくなります。
ワンクリックで基幹システムへ反映
確認済みの内容は、そのまま基幹システムへ反映されます。手入力の工程がひとつ減ります。
モデルケースの試算:導入前後の比較
A社のモデルケースをもとにした、控えめな試算です。実際の効果は注文書の形式や導入範囲によって変わります。
| 項目 | 導入前(モデルケース) | 導入後の試算 |
|---|---|---|
| 1件あたりの入力時間 | 平均 5〜6分 | 平均 1〜2分程度(試算) |
| 1日30件分の処理時間 | 約2.5〜3時間 | 約1時間前後(試算) |
| 確認の電話・メール往復 | 1日5件前後 | 1日1〜2件程度(見込み) |
| 転記ミスによる出荷トラブル | 月2〜3件程度 | 月0〜1件程度(見込み) |
※上記はモデルケースに基づく試算であり、数値を保証するものではありません。実際の効果は業務内容・注文書の形式・導入範囲により異なります。まずは現状のヒアリングから、実現可能な範囲を一緒に確認します。
モデルケースにおける想定の声
以下は、本モデルケースにおける受注担当者の想定コメントです(架空の内容です)。
「毎朝FAXの山を見るだけで気が重かったのですが、確認が必要な行だけ見ればいいので、精神的にもだいぶ楽になりました。得意先への確認の電話も減って、その分を別の仕事に回せています。」A社 受注担当 Bさん(モデルケースにおける想定)
自社にも当てはまるか、まずは話してみませんか
同じような受注の悩みを抱える現場は多くあります。AIへの気軽な相談も、担当者への直接のご相談も歓迎です。